やれセレブだの電車男だの、楽しい世の中でございますが、日本の将来って
この先どうなるんでしょ。私を含む多くの労働者階級は、もはやそれすら
考える余裕の無いほど疲弊しきってます。
では、その上の階級は? 自分の至福を肥やすことで精一杯です。
かつての日本は、メイドインジャパンを誇りにできるほど技術と文化と
競争心で平和な国でした。国産のおいしいものが沢山あって、工業製品は
世界屈指の小型化技術をもっていました。
ところが今やその技術たるや、工業製品では最近、「世界最小最軽量」を謳う
製品が見かけなくなりました。アジア諸国の製品が追いついてしまい日本からは
出現しなくなりました。
先日発売されたコレ。
Apple iPod nano 4GB ホワイト [MA005J/A]
Apple iPod nano 4GB ブラック [MA107J/A]
この製品は、従来のHDD搭載からサムスン電子製大容量メモリを使用した
4GBシリコンメモリのオーディオプレイヤーです。
この小ささ、この薄さ、この軽さ。しかもバックライト液晶付き。
かつて日本が大得意とした分野だったはずです。
本来であれば、妥当な価格は3万円オーバー。
なぜこんなにも安くメモリ調達が出来たのか。
答えは世界流通量を一度に大発注したから。
スケールメリットを生かせば、安くなるのは当然です。
しかもデザイン的にも優れているし、iPodコネクタは互換性を保ちiTMSも使える。
秋葉では入荷と同時に瞬殺する勢いで、量販店でも完売が相次いだそうです。
唯一、ソニーが必死で追い上げていますが先日のソニー新製品発表でも
関係者はコレを見て相当悔しがったとか。
いいものを安くというのは消費者心理。しかしそれを追求し過ぎて海外生産による
コストダウンにシフトし過ぎれば国内労働人口は下がり、国内消費は冷え込む。
冷え込むからさらにコストダウンを迫られ、社内リストラを敢行。
さらに人員を労働者派遣にすれば、労働者全体の平均所得は下がり、出生率も下がる。
当然、婚姻率も下がる。さらに物が売れなくなり、消費は冷え込む。
やはり、この国はもう一度戦後からやりなおした方がいいのかもしれない。
とは、とある作品の名台詞。
セレブに憧れるガキや寝ぼけた輩は多いが、本当の意味での贅沢ってものを
知らなければ、そんなものは無価値でしか無いのだと、この連中は知るよしもない。